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自筆証書遺言とは-その1
自筆証書遺言が支持される理由
自筆証書遺言とは、ご自身の手で書かれた遺言のことです。遺言書全体の流れは、遺言書の全文、日付、氏名をご自身の手で書き、ご自身の印鑑を押すというものになります。
ご自身の手で書くことが必要になるため、パソコン・ワープロ等で作成した遺言書は法律上の効力がないということを注意する必要があります。もちろん、ご家族などの他人が作成した遺言書についても無効です。
※なお、法改正で遺産の財産目録はパソコン(Excel)で作成しても、預金通帳のコピー等を添付することが可能になりました。
また遺言書の中身を追加や修正する際には、民法で認められた方法により修正しなくてはならない点に注意が必要です。
自筆証書遺言のメリットとデメリットは?
自筆証書遺言のメリット
・ 遺言の存在と内容を誰にも知られず作成できる
・ どこででも思いついた時に作成できる
・ 費用などがかからない
・ 気が変われば自由に内容を変更できる
思いたった時に作成できることが自筆証書遺言の最大のメリットです。
さらに、遺言書を思いたってから書き終わるまで、家族などに気を遣わず作成できるため、遺言書の内容をだれにも知られることなく作成ができる点は、大きなメリットとなります。
また、気持ちが変わったときには、すぐに修正や書き換えできる点もメリットと言えるでしょう。
自筆証書遺言のデメリット
・ 遺言の法律で決められた形式上の不備で無効になる恐れがある
・ 財産目録を除いて全文を手書きしなければならない
・ 遺言書を家族に発見してもらえない可能性がある
・ 遺言書を紛失したり内容を変造されたりするリスクがある
・ 遺言者の死亡で家庭裁判所の「検認」手続が必要になる
・ 「検認」では遺言の内容は確認されないため文言のミスで無効の可能性
自筆証書遺言はその手軽さからのリスクがあります。 ➀遺言書には法律で定められた形式が求められます。この形式に従っていない遺言書は当然に無効となり、遺言書としての拘束力は生じません。
また、令和元年に遺言書に添付する財産目録はパソコン(Excel)で作成できるようになりました。しかし、その他は従来通りに手書きが求められるため、かえって遺言の作成に気を遣うことになります。
また遺言書の紛失や、亡くなったときに遺言書が誰にも発見されないという悲しい事態も予想されます。
中でも最大のデメリットは、自筆証書遺言が発見されると家庭裁判所の「検認手続」を受けなければならないということです。検認手続きについては以下の通りです。
検認手続きとはどんなものか
なぜ自筆証書遺言には検認の手続きの必要があるのか。それは、「遺言書の存在」を家庭裁判所に確認してもらうためです。
遺言書の発見者や預かっていた方が家庭裁判所に遺言書を提出し、相続人などの立会いのもと裁判官が遺言書を開封して、遺言書の内容を確認します。
この検認手続をすることで相続人などに対して、遺言書の存在を明らかにして偽造や変造されることを防ぐ手続きです。ただ、家庭裁判所の検認手続は形式上の不備は確認してくれますが、遺言内容や文言は確認しませんから、遺言書で手続きに入ってから遺言の無効がいわれることもあります。
自筆証書遺言は、この検認手続きを必ず行わなければなりませんが、検認手続きの進行はどのように行われるのでしょうか。
1.相続人はだれなのかを確定させる
まず、相続では法定相続人は誰なのかを明確にしなければなりません。
法定相続人とは、法律で定められた順番に従って法律上相続できる人のことです。法定相続人は亡くなった人や親族の戸籍謄本を収集して明らかにしていきます。法定相続人の立場によって集める戸籍が異なりますので、最初に遺言者の法定相続人を明らかにしましょう。
2.管轄の家庭裁判所を調べましょう
管轄の家庭裁判所とは、検認の申立先の家庭裁判所になります。
申立先の家庭裁判所は「遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所」になります。
3.家庭裁判所に提出する書類の作成
家庭裁判所に提出する書類で作成が必要なものとは
➀遺言書の検認申立書
②当事者目録
です。
注意しなければならない点として、使用する印鑑です。押印する印鑑は認め印でいいのですが、検認当日に同じ認め印を使いますので、どの認め印を押したか忘れないように注意して下さい。
4.家庭裁判所に提出する書類
相続人の関係が分かる戸籍謄本と以下の書類です。
➀申立書
②当事者目録
③遺言書の写し(封印がない場合のみ)
④遺言者の出生から死亡までの戸籍謄本
⑤相続人全員の戸籍謄本
⑥相続人によっては、別途必要な戸籍謄本
これらの書類を管轄の家庭裁判所へ「持参」又は「郵送」で提出します。
郵送の方法は、書留(配達記録郵便)で送りましょう。到着の確認ができるで安心です。
5.家庭裁判所から通知がきます
家庭裁判所からは、相続人全員に遺言書検認日のご案内が郵送されます。提出後、1ヶ月から1ヶ月半後位を目途にしましょう。
6.検認期日(検認当日のことです)
申立人は、家庭裁判所に遺言書を持参し、遺言書の検認手続きをします。
申立人以外の相続人が出席するかどうかは、各人の判断に任されています。全員がそろわなくても検認手続は行われます。
また、検認の申立てに必要な費用は遺言書1通につき収入印紙800円です。さらに、福岡家庭裁判所の場合には、連絡用に切手が84円×(相続人の人数)+2枚必要です。この金額は家庭裁判所によって異なります。
7.遺言書検認手続き終了後
検認が終わった後は、遺言の執行をするために遺言書には検認済証明書が付いていることが必要となるので、検認済証明書の申請をすることになります。なお、申請書1通につき150円の収入印紙と申立人の印鑑が必要になります。
なお、家庭裁判所から戸籍謄本等の原本を返却してもらう場合には、原本のコピーと原本還付申請書を提出しておく必要があります。この原本は、不動産の名義変更(相続登記)や預貯金の解約などの相続手続きを行なっていくときに利用します。
以下のフォームに必要事項をご記入の上、「送信する」ボタンをクリックしてください。