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推定相続人廃除とは
特定の子どもに遺産を遺したくないから、良い方法はないかと相談を受けることがあります。
方法として、遺留分の事前放棄をという制度もありますが、前提として民法1049条では家庭裁判所許可がいります。
この許可申請には遺留分の事前放棄の理由を記載しなければなりません。現在の家庭裁判所の見解としては、慰留分の事前放棄をする人が遺留分に相当する財産的給付や利益を受けている又は受ける予定であるなどの事情があることを必要としているようです。
つまり、遺留分の事前放棄に合理性があることを調べるためです。
また、推定相続人の廃除という制度もあります。
被相続人は、生前に自分で家庭裁判所に推定相続人の廃除の請求(民892条)をすることができますし、被相続人が遺言の中で推定相続人の廃除の意思表示(民893条)をすることもできます。
廃除とは?
廃除とは、相続権を剥奪するという意味です。廃除の対象者とは、遺留分を有する推定相続人のことです。
したがって、被相続人の兄弟姉妹は廃除の対象にはなりませんし、被相続人に存命の子がいる場合に、被相続人の親や孫を廃除の対象者とすることはできないことになります。
ただし、遺言の場合に将来、被相続人が死亡した時点において、その孫が推定相続人になる可能性や、さらに親が推定相続人になる可能性もあるので、そうしたケースに備えて推定相続人の廃除の意思を遺言に記載することはできます。
家庭裁判所は推定相続人の廃除請求をすぐに認めるのか?
廃除の事由には、
➀被相相続人に対する虐待、
➁被相続人に対する重大な侮辱、
➂その他の著しい非行に限られています(民829条、893条)。
被相続人が存命中に請求するときは被相続人本人が、また遺言で廃除の意思の示していたときは遺言執行者がそれぞれ家庭裁判所に推定相続人の廃除の請求を行います。家庭裁判所は、廃除事由の請求を行います。
すると家庭裁判所は、廃除事由の有無について審理を行い、審判により排除請求につき理由があるかどうかを判断します。
虐待、重大な侮辱、著しい非行とは、どんなことを指すか
これは、刑法上の傷害罪、暴行罪、遺棄罪、違法監禁罪などは、虐待に当たり、名誉毀損罪、侮辱罪等は重大な侮辱に当たるといわれますが、たとえ刑事罰をうけていなくて、また刑事罰に当たるほどの行為でなくても他の非行に該当する行為と総合的に考慮して判断されることになります。
また、これらの行為に該当しないとしても被相続人との人的信頼関係を破壊するような行為は、著しい非行として廃除自由になります。
たとえば、被相続人に暴力をふるう、被相続人の財産を浪費する、素行不良などがあげられます。
家出をして長期間被相続人と連絡を取らない行為は廃除に当たるか
疎遠にしていることは、考慮材料になると思いますが、それだけでは足りないと思われます。
ほかに著しい非行があったなどの事情が必要でしょう。
被相続人に対する暴言などは、廃除対象でしょうか
暴言により精神的苦痛を与え又は名誉毀損、侮辱に該当するかもしれません。いずれにしても、相続権を奪うほどの事情があることが必要です。
被相続人が先に暴言を吐いたり、被廃除者がそのような暴言をはくことがもっともな事情があれば、排除の請求が否定されるかもしれません。
遺言者が想定相続人のなかに廃除しようとする場合に遺言にその理由記載するべきか
民法上は、遺言の中に廃除の意思があきらかにされていればいいのですが、遺言を遺言執行者が廃除請求をしやすいように、廃除の事由を具体的に明確に記載しておくことがいいでしょう。遺言とは別に、公証人の面前で宣誓に基づく宣誓認証を活用する方法もあります。
宣誓認証された私文書(宣誓供述書)は、公証人の手元に保管され、後で閲覧請求及び謄本の交付請求対象となっています。
内容の追完、訂正、改ざん等の問題が生じる余地もありませんので、紛争の予防または解決に役立つと思われます。
家庭裁判所は、廃除請求をどのように審理するのか
家庭裁判所は排除の請求があると、審理、判断することになります。廃除自由の存在について、後日の審理の証拠とするために、例として暴行を受けた際の診断書や傷の写真などを残しておく、また遺言書に添付しておくことも検討してください。
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