相続相談福岡センター:〒818-0056 福岡県筑紫野市二日市北2-3-3-205
エンディングノートと遺言書の違い
もちろん。エンディングノートと遺言書は混同されがちですが、目的・効力・書き方・扱われ方がまったく異なるものです。 ここでは、できるだけ分かりやすく、かつ実務的な視点も含めて詳しく比較します。
エンディングノートと遺言書の違い
総合比較表
項目 エンディングノート 遺言書
法的効力 なし あり(民法に基づく)
目的 家族への情報共有・希望の伝達 財産分与・相続の指定を法的に確定
書き方の自由度 非常に高い(形式自由) 厳格なルールあり(方式を守らないと無効)
内容の範囲 医療・介護・葬儀・連絡先・気持ち・デジタル情報など幅広い 財産・相続・遺産分割・遺言執行者など法律に関わる事項
更新のしやすさ いつでも自由に書き換え可能 書き換えには正式な手続きが必要
保管方法 自由(家に置く、家族に渡すなど) 公正証書遺言は公証役場で保管、自筆証書遺言は法務局保管制度あり
家族が困るポイント 見つからない・内容が曖昧・古い情報のまま 方式不備で無効になる可能性
費用 基本無料(市販のノート数百円) 公正証書遺言は数万円〜数十万円
1. 法的効力の違い
■ エンディングノート
• 法的効力は一切ない
• 家族が参考にする「メモ」「意思表示」に近い
• 財産分与を書いても、相続の場では無効
つまり、家族の判断材料にはなるが、法律上の強制力はない。
■ 遺言書
• 民法に基づく正式な法律文書
• 財産の分け方、遺産分割方法、遺言執行者の指定などが法的に確定
• 相続トラブルを防ぐ最も強力な手段
2. 書き方・形式の違い
■ エンディングノート
• 形式は完全に自由
• 手書きでもパソコンでもOK
• 書く順番も内容も自由
• 書き直しも簡単
自由度が高い反面、内容が曖昧になりやすい。
■ 遺言書
遺言書には厳格なルールがある。
● 自筆証書遺言
• 全文を自筆で書く
• 日付・署名・押印が必須
• 財産目録はパソコン作成可
• 方式不備だと無効
● 公正証書遺言
• 公証役場で作成
• 公証人が内容を確認
• 方式不備の心配がない
• 費用がかかる
3. 書ける内容の違い
■ エンディングノートに向いている内容
• 医療の希望(延命治療、終末期の過ごし方)
• 介護の希望(施設か在宅か)
• 葬儀の希望(家族葬、音楽、宗教)
• 連絡してほしい人・してほしくない人
• デジタル遺品(SNS、パスワード、サブスク)
• ペットの世話
• 家族へのメッセージ
• 人生の振り返り
生活情報・気持ち・希望を伝えるのに最適。
■ 遺言書に向いている内容
• 財産の分け方(法定相続と異なる場合)
• 不動産の相続先
• 預金・株式・保険金の扱い
• 遺言執行者の指定
• 相続人の廃除
• 認知や後見人の指定
• 遺贈(相続人以外に財産を渡す)
法律に関わる重要事項は遺言書でなければ意味がない。
4. 更新のしやすさ
■ エンディングノート
• 気軽に書き換え可能
• 何度でも修正できる
• デジタル版なら更新も簡単
ただし、更新しないと古い情報が残り、家族が混乱する。
■ 遺言書
• 書き換えには正式な手続きが必要
• 新しい遺言書が古いものを上書きする
• 公正証書遺言は再度費用がかかる
5. 保管方法の違い
■ エンディングノート
• 家の引き出し、金庫、家族に渡すなど自由
• ただし「見つけてもらえない」リスクがある
• デジタル版はパスワード管理が必要
■ 遺言書
• 公正証書遺言は公証役場で保管
• 自筆証書遺言は法務局の保管制度を利用可能
• 紛失・改ざんの心配が少ない
6. 家族への影響の違い
■ エンディングノート
• 家族の判断材料になる
• 故人の希望が分かるため精神的負担が軽減
• ただし、法的効力がないため、家族が希望を実現できない場合もある
■ 遺言書
• 相続の争いを防ぐ
• 法的に強制力があるため、家族の負担が大幅に減る
• 内容が不十分だと逆にトラブルの原因になることもある
7. 結論:両方を併用するのが最も良い
エンディングノートと遺言書は、役割がまったく違う。
• 遺言書 → 法律的に重要なことを確定する文書
• エンディングノート → 家族への思いや生活情報を伝えるノート
どちらか一方では不十分で、両方が揃うことで初めて「家族が困らない準備」が整う。
年齢が75歳と80歳という近い範囲でも、生活状況・健康状態・家族構成・価値観によってエンディングノートの書き方は変わる。 ただし、一般的な傾向として「優先すべき項目」や「書く深さ」に違いが出やすい。 ここでは、年齢ごとの特徴を踏まえて、どのように書き分けると良いかを丁寧に整理する。
75歳と80歳の女性:エンディングノートの書き方の違い
1. 75歳の女性に向いている書き方
75歳は、まだ比較的活動的で、判断力も十分にある年代。 「これからの人生をどう生きるか」を含めて書くことができる。
● 75歳のエンディングノートの特徴
• 未来志向の内容が書ける
• 健康状態が安定している人が多く、介護の話題は「もしもの時」レベル
• デジタル機器を使いこなす人も多く、デジタル遺品の整理も現役
• 家族とのコミュニケーションも積極的に取れる
● 書くべき重点項目
① 今後の人生計画
• これからやりたいこと
• 旅行や趣味の目標
• 住まいの選択(自宅か、将来の住み替えか)
② 健康・医療の希望
• かかりつけ医の情報
• 持病の管理方法
• 延命治療の希望(まだ迷っている段階でもOK)
③ 財産・契約の整理
• 銀行口座、保険、年金などの一覧
• デジタルサービスの整理(SNS、サブスク)
④ 家族へのメッセージ
• 感謝
• 今後の家族関係の希望
• ペットの世話の依頼など
● 書き方のポイント
• 「今の自分」と「これからの自分」を両方書く
• 将来の変化を見越して、定期的に更新しやすい形にする
• 書きながら人生の棚卸しをするイメージで進める
2. 80歳の女性に向いている書き方
80歳になると、生活の安定や介護の可能性が現実味を帯びてくる。 そのため、より「実務的」「具体的」な内容が重要になる。
● 80歳のエンディングノートの特徴
• 健康状態の変化が出やすい
• 介護や医療の希望がより重要
• 家族に迷惑をかけたくないという思いが強くなる
• デジタル情報よりも生活情報の整理が中心になることが多い
● 書くべき重点項目
① 医療・介護の具体的な希望
• 延命治療の可否
• 認知症になった場合の希望
• 介護施設への入居の意向
• 代理決定者(家族の誰に判断を任せたいか)
② 葬儀・お墓の希望
• 葬儀の規模(家族葬・直葬など)
• 宗教・お寺の情報
• 墓・納骨堂・散骨の希望
③ 財産の整理
• 相続の方向性(遺言書の作成も検討)
• 不動産の扱い
• 銀行口座の整理(不要な口座の解約)
④ 生活情報の明確化
• 重要書類の保管場所
• 家の中の物の整理(生前整理)
• 連絡してほしい人の一覧
● 書き方のポイント
• 「家族が困らないように」実務的な情報を中心に書く
• 医療・介護の希望はできるだけ具体的に
• 財産の項目は遺言書との併用を意識する
• 体力や集中力を考え、数日に分けて書く
3. 年齢による違いのまとめ
観点 75歳の女性 80歳の女性
書く目的 これからの人生を豊かにするための整理 家族が困らないように実務情報を残す
重点項目 未来の計画・健康管理・デジタル情報 医療・介護・葬儀・財産整理
書き方の姿勢 自分の人生の棚卸し 家族への配慮と具体的な指示
更新頻度 年1回程度の見直し 状況変化に応じて随時更新
家族との関わり 一緒に話し合いながら書く 判断を任せたい人を明確にする
4. 結論:年齢で「書くべき内容の深さ」が変わる
75歳と80歳では、わずか5年の差だが、
• 健康状態
• 生活の安定度
• 家族のサポート状況
• 将来への意識 に違いが出やすい。
そのため、
• 75歳 → 自分の人生をより良くするためのノート
• 80歳 → 家族が困らないためのノート という方向性で書くと、より実用的で意味のあるエンディングノートになる。
以下のフォームに必要事項をご記入の上、「送信する」ボタンをクリックしてください。
入力がうまくいかない場合は、上記内容をご確認のうえ、メールにてご連絡ください。
送信先アドレス:example@example.com