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「相続税が払えない」
貯金なしで不動産購入の落とし穴
Aさん(仮名、50代男性)は父親に高額な現預金があることから、相続税が高くなることを心配していました。相続税対策をセミナーを受講したところ、「不動産を購入すると相続税を効果的に減らせる」「さらに賃貸で経営すれば節税効果がある」と知ります。
早速、父親と一緒に不動産会社に行き、紹介された「おすすめ物件」を購入しました。これで父親の現金資産はほとんどなくなりましたが、無事にアパート経営を開始します。
しかし、数年後に父親が90歳で死去し、松野さんがいざ相続税を払おうとすると大問題が起こりました。相続税は500万円でした。ところが相続税は「現金一括」で支払う必要があるのに、手元にそんなお金はなかったのです。「相続税を払えない」事態に陥ったAさんは……。
延納手続きを選択
Aさんは税務署や税理士に相談したところ、「延納」という方法があることを知り選択することになりました。
延納は、相続税の分割払いです。税務署が承認すれば相続税を分割で払っていけるのです。ただし、延納すると支払期間中に①利子税がかかりますし、②担保も提供しなければならないなど手間がかかります。
相続税の支払いに追われる生活に
結局、Aさんは相続税額を減らすことはできても、相続税の支払いに追われる生活になってしまいました。父親には資産がありましたが、Aさん本人は収入も低くこれといった資産も持ち合わせていなかったのです。
もしも現金をそのまま相続していたら、問題なく遺産の中から相続税を払えたはずです。まさか「節税によって相続税を払えなくなる」とは思いもせず、Aさんは「相続税の落とし穴」に完全にはまってしまったということになります。
相続税対策には危険が潜んでいます
実はAさんのように相続税対策で落とし穴にはまる人は少なくありません。T次にAさんがなぜこのように相続税の落とし穴にはまったのか、そして、ほかに対策はなかったのか見ていきましょう。
ポイント1:相続税は現金で一括払い
Aさんが相続税を払えなくなったのは、相続税が基本的に現金一括払いだからです。
不動産は換金しにくい遺産だということです。相続財産の評価が高額になっても相続税を簡単に用意できず払えなくなってしまいます。まして遺産の大半が不動産の場合、相続人たちが相続税を払えず困ってしまうリスクが高いので、生前に相続税対策をしっかりしておくべきです。
相続税の支払い期限
相続税が発生しても、時間をかければ納税資金の用意ができるケースもあるでしょうし、不動産を売却したり貯金を作ったりする方法も考えられます。
しかし、相続税は「相続開始後10カ月以内」に現金でしかも一括で支払わねばなりません。Aさんのように兄弟と意見が合わない場合には、意見調整してから売却するまでに時間が不足しがちです。
納税資金を用意すべき
Aさんのように「相続税を払えない状況」に陥らないためにはどうすればいいのでしょうか?
現預金を残して不動産を購入
1つ目に、不動産を購入するときに現預金をほとんど全て使ってしまったことが問題なのです。このときに納税資金として余裕をもってある程度の現金を残しておけば、このような目には遭わずに済みました。
高額なアパートの一括購入を選択してしまったことに誤りがあったといえます。節税対策で不動産を購入・建築する際には、現預金をある程度残しておくべきです。
生命保険の活用
2つ目の対処法には、生命保険を活用することが考えられます。
父親が現預金を使って終身などの生命保険に加入し、受取人を子どもたちにしておく方法です。そうすれば、父親が死亡したときにAさんたちに現金が入ってきて、納税資金に充てることができたはずです。
死亡保険金には相続税の控除制度も適用されるので、現預金を払って生命保険に加入するだけでも節税対策になります。Aさん親子は、アパートを購入する前に生命保険への加入を検討すべきだったといえるでしょう。
「不動産を購入・建築すると相続税を大きく節税できる」というのは事実ですが、思わぬ落とし穴があるものです。延納しても、利子税という分余計な相続税を払わねばなりません。
高額な現預金を持っていると、それを狙う不動産業者なども近づいてくるかもしれません。
節税だけを考えているとこのような落とし穴に気づかず「本末転倒」にならないよう、十分に注意して節税対策を行いましょう。
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