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「認知症になったら銀行口座はどうなる?」
―家族が知っておくべき“預金凍結”のリアルと事前対策―
日本では2025年に高齢者の約5人に1人が認知症になると推計されています。 しかし、認知症と銀行口座の関係については誤解が多く、「キャッシュカードがあれば大丈夫」「家族なら引き出せるはず」と思っている方が少なくありません。
実際には、認知症による“預金凍結”は、家族の生活や介護に深刻な影響を与える重大な問題です。
1. 認知症になると銀行口座はどうなるのか?
●「認知症=即凍結」ではない
銀行は医師の診断書を自動的に受け取るわけではないため、診断された瞬間に凍結されるわけではありません。
●凍結の引き金は“銀行が判断能力の低下を把握した時”
銀行が次のような場面で「意思確認が困難」と判断すると、取引が停止されます。
• 窓口で住所・生年月日を答えられない
• ATM操作が極端に遅い、同じ質問を繰り返す
• 通帳・カードの紛失を短期間に繰り返す
• 振込目的を説明できない
• 家族や医療機関から「認知症」と情報提供があった
銀行は本人の財産を守る義務があるため、判断能力が不十分な状態での取引は認められません。
2. 口座が凍結されるとどうなる?
●できなくなること
• 預金の引き出し
• 振込・送金
• 定期預金の解約
• ATMでの残高照会
• 公共料金以外の口座振替
●家族でも引き出せない
たとえ介護費用であっても、家族が勝手に引き出すことは法律上できません。 本人の意思確認ができない以上、銀行は家族の引き出しも認めません。
●生活への影響
• 施設入居一時金が払えない
• 入院費の支払いが滞る
• 日常の生活費が確保できない
• 家族が立て替えても相続時に認められない可能性がある
. 「キャッシュカードがあれば大丈夫」は危険
多くの方が誤解していますが、カードがあっても次の理由で使えなくなります。
• 暗証番号を忘れる
• 数回間違えてロック
• カードの磁気不良
• 再発行には“本人の意思確認”が必須
つまり、認知症が進むとカードの再発行ができず、実質的に出金不能になります。
4. 家族が勝手に引き出すリスク
●刑事責任の可能性
本人の意思確認ができない状態で家族が引き出すと、 窃盗罪・横領罪に問われる可能性があります。
●相続トラブルの火種
「使い込みでは?」と疑われ、遺産分割が泥沼化するケースも多発。
5. 凍結後に使える唯一の制度「法定後見」
口座が凍結された後に使えるのは法定後見制度のみです。
• 家庭裁判所に申立て
• 調査・審理
• 後見人選任
• 開始まで3〜4か月
• 後見人報酬が発生
• 一度始まると原則終了できない
時間も費用もかかり、柔軟性が低い制度です。
6. 凍結を防ぐための事前対策(最重要)
① 家族信託(最も柔軟で実務的)
元気なうちに、預金や不動産の管理権限を家族に託す契約。 認知症後も家族が自由に管理・出金できる。
② 任意後見契約
将来の後見人を事前に指定する制度。 発動には医師の診断書+家庭裁判所の手続きが必要。
③ 銀行の代理人制度
銀行によっては、事前登録した代理人が入出金できる制度あり。 ただし、認知症発症後は利用停止になる銀行も多い。
7. まとめ:最も大切なのは「元気なうちの準備」
預金凍結は“起きてからでは遅い”問題です。 家族信託・任意後見・代理人制度など、準備できる選択肢は複数ありますが、 どれも本人の判断能力があるうちにしか契約できません。
「まだ大丈夫」と思っている今こそ、最も良いタイミングです。
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