任意後見契約フォローしてますか

1. 任意後見契約はフォローが必須

1-1. 制度の本質が「将来の不安定さ」を前提にしている

任意後見契約は、本人の判断能力が低下したときに発動する制度。 つまり、契約時点では“まだ元気”であることが前提です。

この「元気な時期」から「発動時期」までの間に、以下のような変化が起こり得ます。

家族関係の変化(疎遠・不仲・死別)

財産状況の変化(相続・売却・投資・借金)

健康状態の変化(軽度認知症 → 中等度へ)

生活環境の変化(入院・施設入所)

本人の価値観の変化(延命治療・葬儀・死後事務)

これらはすべて、契約内容の見直しや、受任者との意思疎通が必要になる要素です。

2. フォローの目的

フォローの目的は大きく5つ。

契約内容の陳腐化防止

受任者の理解と準備の強化

本人の意思の変化の把握

発動時の混乱防止

トラブル予防

特に重要なのは、「受任者が本当に理解しているか」の確認。 多くのトラブルは、受任者が「何をどこまでやるのか」を理解していないことから発生します。

3. フォローの対象

フォロー対象は3者。

本人(委任者)

受任者(将来の任意後見人)

家族・関係者

特に「おひとり様」の場合は、受任者が唯一の支えになるため、フォローの重要性はさらに高まります。

4. フォローのタイミングと頻度

4-1. 契約直後

契約内容の再確認

受任者への説明

財産管理委任契約・見守り契約の運用開始(必要に応じて)

4-2. 年1回の定期フォロー

健康状態の確認

財産状況の変化

希望する生活・医療・介護方針の変化

受任者の状況変化(転職・転居・健康)

4-3. 変化があったときの臨時フォロー

入院

認知症の診断

家族の死

大きな財産移動

施設入所

 

5. フォローの方法

5-1. 本人へのフォロー

① 年1回の「意思確認面談」

目的:意思の変化を把握し、契約内容の陳腐化を防ぐ。

面談で確認する項目:

現在の生活状況

健康状態

医療・介護の希望

財産の動き

家族との関係

死後事務の希望

延命治療の意思

受任者への信頼度の変化

これらは、意思確認シートとしてA4でまとめておくと便利。

② 財産管理委任契約の運用フォロー

任意後見契約は発動前は効力がないため、 「元気なうちのサポート」は財産管理委任契約で行う。

フォロー内容:

通帳記帳・残高確認

郵便物の整理

支払い代行

生活費の管理

施設・病院との連絡調整

③ 見守り契約の定期訪問

月1回〜2回の訪問・電話・オンライン面談。

目的:

孤立防止

認知症の早期発見

生活の変化の把握

④ 契約内容の見直し提案

本人の意思が変わった場合、契約の再作成が必要。

例:

延命治療拒否 → 一部容認へ

死後事務の内容変更

葬儀の規模変更

財産の使い方の変更

5-2. 受任者へのフォロー

受任者フォローは、任意後見制度の成功の鍵。

① 受任者向け「役割説明会」

契約後に必ず実施。

説明内容:

任意後見制度の仕組み

発動の条件

監督人の役割

受任者がやってはいけないこと

財産管理の基本

家族との関係調整

発動後の報告義務

② 年1回の「受任者フォロー面談」

確認項目:

本人との関係

本人の生活状況の把握度

自身の健康・生活の変化

将来の受任に対する不安

代替受任者の必要性

③ トラブル予防のための「禁止行為リスト」

受任者に渡す資料として有効。

例:

本人の財産を勝手に使う

本人の意思を無視して契約する

家族と勝手に話を進める

本人の財産を管理しない

本人の生活費を削る

④ 発動時の手続き説明

受任者が最も不安に感じる部分。

説明内容:

医師の診断書の取得

家庭裁判所への申立

必要書類

発動後の財産管理方法

監督人への報告方法

5-3. 家族・関係者へのフォロー

家族がいる場合は、家族の理解が不可欠。

① 家族説明会

内容:

任意後見制度の仕組み

家族ができること・できないこと

受任者との役割分担

発動時の流れ

財産管理の透明性の確保

② 家族との連絡調整

連絡窓口の一本化

情報共有のルール作り

トラブル時の対応方針

6. フォローに使えるツール

意思確認シート

受任者説明資料

家族説明資料

財産管理チェックリスト

見守り記録シート

 

7. フォローを怠った場合のトラブル

受任者が制度を理解しておらず、発動時に混乱

本人の意思が変わっていたのに契約が古いまま

家族が受任者に不信感を持つ

財産管理の不透明さから紛争

発動のタイミングが遅れ、本人が不利益を受ける

8. 「フォローサービス設計」

あなたの業務にそのまま組み込める形で整理します。

① 年間フォローパック

年1回の意思確認面談

年1回の受任者フォロー

見守り契約(月1回)

契約内容の見直し提案

発動時の手続きサポート(別料金)

② おひとり様特化型フォロー

見守り訪問

財産管理委任の運用

死後事務の準備

緊急連絡体制の構築

③ 家族巻き込み型フォロー

家族説明会

家族との連絡調整

トラブル予防のルール作り

9. フォロー面談

① 本人向け

「前回から生活に変わったことはありますか」 「健康状態で気になることはありますか」 「医療や介護の希望に変化はありますか」 「財産の動きで大きなものはありましたか」 「受任者への信頼や不安はありますか」

② 受任者向け

「本人の生活状況をどの程度把握していますか」 「受任に対する不安はありますか」 「ご自身の生活や健康に変化はありますか」 「発動時の流れについて理解できていますか」

10. まとめ

任意後見契約は、作成しただけでは不十分。 フォローこそが制度の生命線です。

本人の意思の変化

受任者の理解

家族の協力

発動時のスムーズな移行

 

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