相続相談福岡センター:〒818-0056 福岡県筑紫野市二日市北2-3-3-205
高齢になるとほど遺言を書かない
高齢者が「争う可能性があっても遺言を書かない」のは“合理的な判断できないのではなく自然な反応”です。 そして、高齢者を説得ではなく“気持ちの流れを整える”ことで初めて行動が起きます。
1. 高齢者はなぜ「争う可能性があっても」遺言を書かないのか
1-1. 未来回避バイアス
高齢者は「自分の死後」を想像すること自体が苦痛なのです。 脳科学では、死を連想すると“回避行動”が起きることが分かっています。
• 「まだ元気だから」
• 「うちは争わない」
• 「そのうち書くよ」
これらは脳の防御反応ということになるそうです。
• 死後の話題 → 心が閉じる
• 未来の自分 → 他人事に感じる
• 行動 → 先延ばし
1-2. 家族関係の曖昧さが行動を止める
遺言を書くには「誰に何を渡すか」を決める必要があります。 これは家族関係の問題を直視する行為です。
• 長男に多く渡すべきか
• 再婚・連れ子の扱い
• 同居している子と遠方の子のバランス
• 介護をしてくれた子への配慮
これらを考えると、 “家族の問題が浮き彫り” → 心が重い → 行動停止 という流れになるおいうことになります。
1-3. いろいろな制度はかえって「自分ごと化」を妨げる
成年後見、任意後見、遺言、公正証書、家族信託… 制度は多すぎて、理解しようとすることで疲れます。
高齢者は「分からないもの」については行動しません。
1-4. “書かないデメリット”はわからない
人は損失回避の生き物で “自分の死後の損失”は実感しにくい。
• 争うのは自分ではなく子ども
• 手続きで苦労するのも自分ではない
• 相続税の負担も自分には関係ない
つまり、 “自分が困らないこと”は行動につながらないということになります。
1-5. 「家族は仲が良い」というのは“願望”
高齢者は、 「うちの子どもたちは争わない」 と信じたいのです。
しかし現実は、
• 兄弟の配偶者
• 孫
• 生活状況の違い
• 経済格差 で、争いは簡単に起きる。
でも、 “争う可能性を認めること”=“家族の不和を認めること” になるため、心が拒否し動かないことになります。
1-6. 「書くのは面倒」
遺言を書くには
• 財産の棚卸し
• 相続人の確認
• 公証役場の予約
• 証人の手配 など、行動のハードルが高い。
高齢者は、 「面倒」>「必要性」 になりがち。
2. 高齢者が「遺言を書く」ためのは
結論: 説得ではなく環境づくりが必要。
2-1.“自分ごと化”させる
高齢者は「未来の自分」を想像できにくい。 だから、未来の具体化には質問が効果的。
• 「もし明日、急に入院したら、だれが手続きをしますか」
• 「銀行の暗証番号、だれか知っていますか」
• 「家の名義変更、誰がしますか」
“明日”はどうすると提示すると行動が起きる。
2-2. “家族の負担”を可視化
高齢者は「自分のため」では動かない。 しかし、 “家族が困る”と分かると行動する。
有効な言葉
• 「お子さんが困らないように、準備しましょう」
• 「遺言は“最後のプレゼント”ですよ」
• 「遺言があると、家族の負担は半分になります」
2-3. “書かないデメリット”を具体的に
抽象的な説明では動かない。 具体的な“困る”を示すと行動が起きる。
例
• 銀行口座が凍結され、葬儀費用が出せない
• 不動産あれば名義変更に時間がかかる
• 兄弟間で連絡が取れず、手続きが進まない
• 遺産分割協議書が作れず、申告が遅れる
2-4. “小さな一歩”を提示
高齢者は「全部やる」と思うと動けない。 だから、 “最初の一歩”を提示する。
例
• 「まずは財産の一覧を一緒に作りましょう」
• 「今日は“誰に何を残したいか”を考えましょう」
• 「公証役場の予約はこちらでします」
最初の一歩が行動の90%を決める。
2-5. “伴走する人がいる安心感”を与える
高齢者は「失敗する」という不安が強い。 だから、 “一緒にやります”という姿勢が最も効く。
言葉例
• 「難しいところはすべて家族がサポートします」
• 「あなたのペースで進めましょう」
• 「書き直しもできますから、まずは形にしましょう」
2-6. “家族の同席”で行動は加速する
高齢者は、 子どもの同席で行動率が2〜3倍に上がる。
理由:
• 家族の前では“良い親でいたい”
• 背中を押してくれる
• 家族の意見で安心する
3. 男性と女性でアプローチは違う
3-1. 男性に対するアプローチ
男性は
• 「理屈」
• 「制度」
• 「手続きの効率」 に反応しやすい。
有効な切り口
• 「遺言があると手続きは2倍早く終わります」
• 「相続税の負担が減ります」
• 「家族が揉めるリスクを数値で見ると…」
男性は“合理性”で動く。
3-2. 女性に対するアプローチ
女性は
• 「家族の調和」
• 「気持ち」
• 「子どもへの思いやり」 に反応しやすい。
有効な切り口
• 「お子さんが仲良くするように」
• 「あなたの気持ちを形にしましょう」
• 「介護をしてくれた子への感謝を伝えましょう」
女性は“感情”で動く。
4. 使える「質問・言葉がけ」
4-1. 行動力の質問
• 「もしも倒れたら、どなたが手続きをされますか」
• 「口座の暗証番号、どなたがご存じですか」
• 「不動産の名義変更、誰がしますか」
• 「家族が困らないように、何かしておきたいですか」
4-2. 心を開かせる言葉
• 「遺言は“家族への思いやり”です」
• 「難しいところは全部サポートします」
• 「簡単なところから始めましょう」
• 「書き直しもできます。気軽に考えて」
5. 高齢者が動く“パターン”
高齢者が動くときは必ず順番があります。
1. 不安の言語化
2. 家族の負担を理解
3. 未来の具体化
4. 小さな一歩の提示
5. 専門家の伴走を確信
6. 家族の同席
7. 行動開始(遺言作成)
この流れを作ると、 遺言作成率は劇的に上がります。
6. まとめ
高齢者は「争う可能性があっても遺言を書かない」のではなく、 “書けない心理状態にある”。
だから、 “心理の流れを整えてあげる”こと。
遺言・初回面談シート
1. 基本情報
お名前: ふりがな: 生年月日: ご住所: 電話番号:
同席者(家族等):
• 続柄:
• お名前:
2. ご家族構成
配偶者: あり・なし お子さま: 実子( )名 / 養子( )名 前婚の子: あり・なし 兄弟姉妹: あり・なし
家族関係で気になること(書ける範囲で)
3. 現在の生活状況
同居している家族:
• 配偶者
• 子
• 孫
• その他( )
• 一人暮らし
介護・見守りをしてくれている方:
• 配偶者
• 子
• 近所の方
• 介護サービス
• 特になし
最近の健康状態で気になること
4. 財産の概要(思いつく範囲で)
不動産:
• 自宅
• 土地
• 賃貸物件
• その他( )
預貯金:
• 銀行名:________
• おおよその金額:____万円
有価証券:
• 株式
• 投資信託
• その他
保険:
• 生命保険
• 医療保険
• その他
その他の財産:
• 車
• 貴金属
• 事業・会社
• デジタル資産
気になる財産
5. 遺言について
これまで書いたことがありますか?
• はい(種類:自筆・公正証書・不明)
• いいえ
遺言を書こうと思ったきっかけ(複数可):
• 家族に迷惑をかけたくない
• 争いを避けたい
• 財産の分け方を決めておきたい
• 介護してくれた子に配慮したい
• 誰に何を残すか考えたい
• その他( )
6. ご希望・お考え
(1)財産をどなたにどのように渡したいですか?
• 長男へ(理由: )
• 長女へ(理由: )
• 同居している子へ
• 介護をしてくれた子へ
• 配偶者へ
• その他( )
(2)特に大切にしたいことは何ですか?
• 家族が揉めないこと
• 手続きがスムーズに進むこと
• 介護への感謝を伝えたい
• お墓・仏壇の承継
• ペットのこと
• その他( )
7. 心配・不安に思っていること
• 家族が仲良くしてくれるか
• 手続きが複雑で不安
• 認知症になった後のこと
• 財産の分け方が難しい
• 誰に相談すればよいか分からない
• その他( )
8. 相談で知りたいこと
• 遺言の書き方
• 公正証書遺言の流れ
• 費用について
• 財産の整理方法
• 家族への伝え方
• 成年後見・任意後見との違い
• その他( )
9. 今後の進め方
• 財産の一覧を作る
• 家族と話し合う
• 公証役場の日程調整
• 必要書類の準備
• 次回面談の予約
次回のご希望日: __月__日頃
このシートの進め方
● 高齢者が“進める順番”
1. 家族
2. 生活
3. 財産
4. 希望
5. 不安
6. 行動 心理的負担が最も少ない順番。
● 「家族の負担軽減」を中心に
「家族が困らないように」を軸に設計。
● 書きながら“自分ごと化”が進む
質問の順番は「現状 → 希望 → 不安 → 行動」 で進めること。
以下のフォームに必要事項をご記入の上、「送信する」ボタンをクリックしてください。
入力がうまくいかない場合は、上記内容をご確認のうえ、メールにてご連絡ください。
送信先アドレス:example@example.com