親が亡くなったらすべきこと 筑紫野・福岡

親が亡くなったときに家族が「何を・どの順番で・どこまで」すればよいかを、初心者でも迷わず進められるよう完全ガイドとしてまとめました。 

親が亡くなったらすべきこと

― 家族が迷わず進められる「時系列・期限順」完全ガイド ―

1. 全体像:まず「何をいつまでに」やるのかを把握する

親が亡くなった直後は、深い悲しみの中で多くの手続きを同時に進める必要があります。 しかし、やるべきことは 期限が決まっているものから順に進める と混乱が減ります。

◆期限順の全体像(最重要ポイント)

7日以内:死亡届の提出(火葬許可証の取得) 

10〜14日以内:年金受給停止、健康保険・介護保険の資格喪失届、世帯主変更届 

すみやかに:葬儀、公共料金・カード・携帯の名義変更・解約、銀行口座の凍結対応

3か月以内:相続放棄・限定承認の判断(家庭裁判所) 

4か月以内:準確定申告(故人の所得税) 

10か月以内:相続税の申告・納付(必要な場合) 

3年以内:不動産の相続登記(義務化) 

この流れを頭に入れておくと、全体の見通しが一気に良くなります。

2. 【死亡直後〜24時間以内】最優先で行うこと

親が亡くなった直後は、精神的なショックが大きい中でも、いくつかの「緊急度が極めて高い」対応が必要です。

2-1. 死亡診断書(または死体検案書)の受け取り

死亡を医学的に証明する最重要書類です。 後のすべての行政手続きの基礎になるため、必ず受け取ります。

病院で亡くなった場合:担当医が作成

自宅で亡くなった場合:かかりつけ医、または警察の検視後に死体検案書が作成

提出前に必ず5〜10枚コピーを取ることが重要です。 年金・保険・銀行などで何度も必要になります。 

2-2. 親族・関係者への連絡

最低限、次の人へ早めに連絡します。

近親者(兄弟姉妹・子ども・親族)

親しい友人

勤務先(必要な場合)

葬儀の日程は後で改めて連絡すれば大丈夫です。

2-3. 葬儀社の選定と遺体の搬送

病院の安置室は長く留め置けないため、数時間以内に搬送先を決める必要があります。

自宅へ搬送するか

葬儀社の安置施設へ搬送するか

葬儀社は病院から紹介されることが多いですが、複数社の見積もりを比較できると安心です。 費用は大きく異なるため、焦って決めると後悔しやすい部分です。

3. 【死亡後〜7日以内】役所で行う最重要手続き

ここは「期限が最も短い」ため、必ず忘れずに行います。

3-1. 死亡届の提出(7日以内)

死亡診断書とセットになっている死亡届を、市区町村役場へ提出します。 提出期限は 死亡を知った日から7日以内。 

提出先は次のいずれかでOKです。

亡くなった方の本籍地

死亡地

届出人の住所地

提出すると 火葬許可証 が交付されます。 これがないと火葬ができません。

3-2. 火葬許可証の取得

死亡届と同時に申請します。 火葬後は押印されて 埋葬許可証 となり、納骨時に必要です。 紛失しないよう厳重に保管します。 

3-3. 葬儀・火葬・初七日法要

葬儀社と相談しながら進めます。

◆葬儀費用の注意点

葬儀費用を故人の口座から引き出すと「財産を使った」とみなされ、 相続放棄ができなくなる可能性があります。 ただし、社会通念上の範囲の葬儀費用は認められます。 

 

4. 【10〜14日以内】役所・年金・保険の手続き

葬儀が終わったら、次は公的手続きです。 期限が短いため、まとめて行うと効率的です。

4-1. 年金受給停止の手続き

期限は次の通りです。

厚生年金:10日以内

国民年金:14日以内 

停止が遅れると、受け取った年金を返還する必要があります。

4-2. 健康保険・介護保険の資格喪失届

加入していた保険によって期限が異なります。

健康保険:死亡後5日以内

国民健康保険・後期高齢者医療制度:14日以内

介護保険:14日以内 

4-3. 世帯主変更届(14日以内)

亡くなった方が世帯主だった場合、14日以内に届出が必要です。 (世帯に1人しか残らない場合などは不要) 

5. 【すみやかに行う生活関連の手続き】

ここからは期限は厳しくありませんが、早めに進めると後が楽になります。

5-1. 銀行口座の凍結と対応

銀行は死亡の事実を知ると口座を凍結します。 凍結後は引き出しができません。

◆当面の生活費が必要な場合

銀行には「払戻し制度」があり、 最大150万円まで引き出せる制度があります。 

5-2. 公共料金・携帯・カードなどの名義変更・解約

次のものを順番に整理します。

電気・ガス・水道

携帯電話

インターネット

NHK

クレジットカード

自動車(名義変更・廃車)

5-3. 生命保険の請求

生命保険は請求期限があるものもあります。 保険証券を確認し、早めに請求します。

6. 【1〜3か月以内】相続の準備と「放棄するか」の判断

ここからは相続の話になります。 最も重要なのは 3か月以内に相続放棄をするかどうか の判断です。

6-1. 遺言書の有無を確認

次の場所を確認します。

自宅の金庫・引き出し

法務局(自筆証書遺言保管制度)

公証役場(公正証書遺言)

自筆証書遺言が見つかった場合は、開封せず家庭裁判所で検認が必要です。 

6-2. 相続人の確定(戸籍の収集)

被相続人の 出生から死亡までの戸籍一式 を取り寄せます。 誰が法定相続人かを確定します。

6-3. 財産調査(プラスもマイナスも)

次のものを調べて一覧化します。

不動産

預貯金

株式・投資信託

生命保険

借金(負債)

負債も相続財産です。 借金が多い場合は相続放棄を検討します。

6-4. 相続放棄・限定承認(3か月以内)

期限は 相続開始を知った日から3か月以内。 過ぎると「単純承認」とみなされ、借金もすべて引き継ぎます。 

財産調査が間に合わない場合は、家庭裁判所に「熟慮期間の伸長」を申立てできます。

 

7. 【4か月以内】準確定申告(故人の所得税)

故人が確定申告をしていた場合、相続人が代わりに申告します。

期限:相続開始を知った日の翌日から4か月以内 (事業収入・不動産収入・給与2000万円超などがある場合) 

8. 【10か月以内】相続税の申告・納付

相続税が必要なのは、相続財産が 3000万円+600万円×法定相続人の数 を超える場合です。 

期限:相続開始を知った日の翌日から10か月以内

不動産評価など専門性が高いため、税理士への相談が推奨されます。

9. 【遺産分割協議〜名義変更】

相続人全員で話し合い、誰がどの財産を相続するか決めます。

遺産分割協議書の作成

全員の署名・押印

不動産の相続登記

銀行口座の解約・名義変更

証券口座の名義変更

10. 【3年以内】不動産の相続登記(義務化)

2024年4月から相続登記が義務化されました。 期限:相続を知った日から3年以内。 怠ると過料の可能性があります。 

11. 【その他の期限】

葬祭費・埋葬料の申請:2年以内

高額医療費の申請:2年以内

死亡保険金の請求:3年以内

遺族年金・未支給年金:5年以内

遺留分侵害額請求:侵害を知ってから1年以内 

12. まとめ:この順番で進めれば迷わない

親が亡くなったときは、悲しみの中で多くの判断が必要になります。 しかし、次の順番で進めれば、確実に前へ進めます。

1. 死亡診断書の受け取り

2. 親族連絡・葬儀社選定

3. 死亡届(7日以内)

4. 年金・保険・世帯主変更(10〜14日以内)

5. 公共料金・銀行・保険の整理

6. 遺言書確認・相続人確定・財産調査

7. 相続放棄の判断(3か月以内)

8. 準確定申告(4か月以内)

9. 相続税申告(10か月以内)

10. 名義変更・相続登記(3年以内)

 

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