親の相続が始まったらすること 筑紫野・福岡

親の相続が始まったら「家族でできること」と「専門家に頼むべきこと」を最初に分けて整理することが、最短で確実に進めるコツです。 

親の相続が始まったらするべきこと

家族で進める場合と専門家に頼む場合の違いをやさしく解説

1️⃣ 相続が始まったらまず何をする?(共通の最初のステップ)

親が亡くなると、家族は深い悲しみの中で多くの手続きを同時に進める必要があります。 相続手続きは「やるべきことが多い」「期限がある」「専門性が高い」という特徴があり、最初に全体像をつかむことが重要です。

✔ 最初の3ステップ(家族でも専門家でも共通)

• ① 死亡届の提出(7日以内)

• ② 遺言書の有無を確認

• ③ 相続人(誰が相続人か)を確定するため戸籍を集める

ここまでは家族で進めることが多いですが、戸籍収集は専門家に依頼することもできます。

2️⃣ 家族で進める場合(自分たちで行う相続手続き)

家族で進める場合は、「時間と手間はかかるが費用を抑えられる」というメリットがあります。 ただし、書類の不備・期限遅れ・相続人間の認識違いが起こりやすいため、慎重に進める必要があります。

2-1 相続人の確定(戸籍の収集)

✔ 必要な戸籍

• 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍

• 相続人全員の現在戸籍

✔ 家族で行う場合の注意点

• 本籍地が複数にまたがると取得が大変

• 亡くなる前に転籍していると、戸籍が全国に散らばることも

• 役所の窓口・郵送・オンラインで取得可能だが、不備があると再請求になる

2-2 遺言書の確認

遺言書がある場合は、内容に従って相続を進めます。 特に自筆証書遺言は家庭裁判所で「検認」が必要です(公正証書遺言は不要)。

2-3 相続財産の調査(預貯金・不動産・株式など)

✔ 家族で行う場合のポイント

• 銀行ごとに必要書類が異なる

• 不動産は登記事項証明書・固定資産税評価証明書を取得

• 株式・投資信託は証券会社へ連絡

• 負債(借金)も必ず調査する

• 財産が多いほど時間がかかる

2-4 相続放棄の検討(3か月以内)

負債が多い場合は、家庭裁判所で相続放棄の手続きをします。 家族でも可能ですが、書類不備が多く、専門家に依頼するケースが多い部分です。

2-5 遺産分割協議(家族で話し合う)

遺言書がない場合は、相続人全員で財産の分け方を話し合います。

✔ 家族で行う場合の注意点

• 相続人全員の合意が必要

• 1人でも反対すると協議は成立しない

• 書き方の不備で銀行や法務局に受理されないことがある

• 後から「言った・言わない」のトラブルが起こりやすい

2-6 遺産分割協議書の作成

家族で作成することも可能ですが、形式不備が起こりやすいため注意。

2-7 名義変更・解約手続き

✔ 預貯金の解約

銀行ごとに必要書類が違うため、複数行があると非常に手間。

✔ 不動産の名義変更(相続登記)

2024年から義務化され、3年以内に登記しないと10万円以下の過料が発生する可能性があります。 家族で行うこともできますが、書類が多く、専門性が高い部分です。

2-8 相続税の申告(10か月以内)

基礎控除 3,000万円+600万円×法定相続人の数 を超える場合は申告が必要。

家族で行うこともできますが、土地評価・特例適用など専門性が高く、税理士に依頼するケースがほとんどです。

 

3️⃣ 専門家に頼む場合(行政書士・司法書士・税理士・弁護士)

専門家に依頼する最大のメリットは、 「ミスなく、早く、確実に進む」ことです。

相続は複数の専門分野が絡むため、状況によって依頼先が変わります。

3-1 専門家の役割(誰に何を頼む?)

以下は各専門家の役割をまとめたものです。

✔ 行政書士

• 戸籍収集

• 相続関係説明図

• 財産調査

• 遺産分割協議書の作成

• 預貯金の解約書類の整備 (※裁判・登記・税務は不可) 

✔ 司法書士

• 不動産の相続登記(名義変更)

• 相続放棄の書類作成支援 

✔ 税理士

• 相続税の申告

• 財産評価

• 節税アドバイス 

✔ 弁護士

• 遺産分割の争い

• 調停・審判の代理

• 遺留分請求 

4️⃣ 家族で進める場合と専門家に頼む場合の違い(比較表)

項目 家族で進める場合 専門家に頼む場合

手間 多い(役所・銀行を何度も往復) 少ない(窓口が一本化)

費用 安い 内容により費用発生

スピード 遅くなりがち 早い

ミスのリスク 高い(書類不備・期限遅れ) 低い

相続人間のトラブル 起こりやすい 専門家が調整

相続税申告 難易度が高い 税理士が確実に対応

不動産登記 書類が複雑 司法書士が確実に対応

5️⃣ 専門家に頼むべきケース(迷ったらここを基準に)

✔ ① 相続人間で意見が割れている

→ 弁護士 (争いがある場合は最優先)

✔ ② 遺産総額が基礎控除を超えそう

→ 税理士 (相続税申告が必要)

✔ ③ 不動産がある

→ 司法書士 (相続登記は義務化)

✔ ④ 手続きが多くて自分たちでは難しい

→ 行政書士 (戸籍収集・財産調査・協議書作成など)

6️⃣ 専門家に頼む場合の費用目安

✔ 行政書士

5〜20万円(書類作成中心)

✔ 司法書士

5〜15万円(不動産登記)

✔ 税理士

遺産総額の0.5〜1%(相続税申告)

✔ 弁護士

着手金20〜30万円+成功報酬(争いがある場合)

7️⃣ 家族で進める場合の注意点 

✔ 書類の不備で銀行・法務局に受理されない

✔ 相続人の認識違いでトラブルになる

✔ 相続税の申告漏れ

✔ 不動産登記を忘れて過料の可能性

✔ 相続放棄の期限(3か月)を過ぎる

✔ 10か月の相続税申告期限に間に合わない

8️⃣ 専門家に頼む場合のメリット

✔ 手続きが早い

✔ ミスがない

✔ 相続人間の調整がスムーズ

✔ 税務・登記・書類作成が確実

✔ 期限管理を任せられる

✔ 高齢の家族でも安心して進められる

9️⃣ 最終まとめ

• 相続は「家族でできる部分」と「専門家に頼むべき部分」を分けるのが最重要

• 家族で進めると費用は抑えられるが、手間・ミス・トラブルのリスクが高い

• 専門家に頼むと費用はかかるが、確実・迅速・安心

• 相続税申告(10か月)・相続放棄(3か月)・相続登記(3年)など期限がある

• 専門家は行政書士・司法書士・税理士・弁護士で役割が異なる

• 不動産がある・遺産が多い・争いがある場合は専門家必須

• 家族で進める場合は「戸籍収集→財産調査→協議→名義変更→税申告」の流れ

• 専門家に頼む場合は「窓口一本化」で負担が大幅に減る

次のステップのご提案

相続の内容はご家庭ごとに大きく異なるため、 「家族で進めるべきか」「専門家に頼むべきか」は状況によって変わります。

家族で相続を進めるときに「何を・どの順番で・どこまで自分たちでできるか」を一目で判断できるチェックリストがあると、迷いなく進められます。 

 

家族で進める相続チェックリスト

(家族だけで進められるか/専門家に頼るべきかの判断にも使える)

1️⃣ まず最初に確認すること(必須チェック)

• 死亡届の提出 — 7日以内に提出できている

• 遺言書の有無確認 — 自宅・金庫・公証役場のいずれかに心当たりがある

• 相続人の把握 — 誰が相続人か家族で把握できている

2️⃣ 戸籍の収集チェック(家族でできるが時間がかかる)

• 被相続人の出生〜死亡までの戸籍 を集められる

• 相続人全員の現在戸籍 を集められる

• 本籍地が複数に分かれていても自分たちで請求できる

• 郵送請求の書類作成に抵抗がない

1つでも不安があれば専門家依頼が安全

3️⃣ 財産の調査チェック(家族でできるが漏れやすい)

• 預貯金の銀行名 を把握している

• 不動産の所在地 を把握している

• 株式・投資信託・保険の有無を把握している

• 借金・ローンの有無を確認できている

• 家族間で財産の情報共有ができている

財産が多い・複雑・不明点が多い場合は専門家の調査が確実

4️⃣ 相続放棄の検討チェック(3か月以内)

• 借金がある可能性がある

• 財産より負債が多いかもしれない

• 相続放棄の期限 を理解している

• 家庭裁判所への申述書を自分で作成できる

少しでも迷うなら専門家に相談した方が安全

5️⃣ 遺産分割協議チェック(家族で進める最大の難所)

• 相続人全員と連絡が取れる

• 家族間の関係が良好

• 財産の分け方について大きな意見の違いがない

• 遺産分割協議書 を自分で作成できる

• 書類の不備がないか自信がある

1人でも反対がある場合は専門家の調整が必要

6️⃣ 名義変更・解約手続きチェック

✔ 預貯金

• 銀行ごとの必要書類を自分で揃えられる

• 何度か銀行に行く時間がある

✔ 不動産(相続登記)

• 相続登記の義務化 を理解している

• 登記書類を自分で作成できる

• 法務局への相談に行く時間がある

不動産がある場合は司法書士依頼が最も確実

7️⃣ 相続税のチェック(10か月以内)

• 遺産総額が基礎控除  3,000万円+600万円×相続人の数  を超えないと判断できる

• 土地評価・特例の判断ができる

• 税務署への申告書を自分で作成できる

基礎控除を超える可能性がある場合は税理士必須

最終判定:家族で進められるか?

以下に 1つでも当てはまれば専門家に相談した方が安全です。

• 戸籍収集が複雑

• 財産の全体像がつかめない

• 相続人間で意見が割れそう

• 不動産がある

• 相続税がかかる可能性がある

• 手続きに使える時間が少ない

• 書類作成に自信がない

 

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