相続相談福岡センター:〒818-0056 福岡県筑紫野市二日市北2-3-3-205
配偶者が亡くなったときに「何を、どの順番で、どう進めればよいか」を、実務経験にもとづき、初心者でも迷わないように、整理します。
配偶者が亡くなったときにすべきこと
(初心者でも迷わないやさしい説明・約10,000字)
1 まず最初に知っておいてほしいこと
配偶者が亡くなるという出来事は、心の負担がとても大きく、冷静に手続きを進めることは簡単ではありません。 しかし、現実には「期限がある手続き」「早めに確認したほうがよいこと」がいくつかあります。
大切なのは、一人で抱え込まないことです。 家族、親族、葬儀社、役所、そして専門家(行政書士・司法書士・税理士など)に頼れる部分は頼りながら、少しずつ進めれば大丈夫です。
2 亡くなった直後(当日〜3日以内)にすること
ここでは「急ぎのこと」「その場で判断が必要なこと」をまとめます。
● 医師から「死亡診断書」を受け取る
病院で亡くなった場合は医師が作成します。 自宅で亡くなった場合は、かかりつけ医や救急医が作成します。
死亡診断書は、 ・葬儀社への依頼 ・役所への死亡届 ・その後の保険請求 など、ほぼすべての手続きで必要になる大切な書類です。
● 葬儀社へ連絡する
葬儀社は、 ・ご遺体の搬送 ・安置 ・葬儀の日程調整 ・役所への死亡届の提出代行 などをまとめて行ってくれます。
葬儀の規模は、家族の状況に合わせて決めて大丈夫です。 最近は「家族葬」「一日葬」「火葬式」など、費用を抑えた形式も一般的です。
● 親族・関係者への連絡
すべての人にすぐ連絡する必要はありません。 まずは「近い親族」だけで十分です。
3 役所で行う手続き(7日以内)
死亡診断書と一体になっている「死亡届」を役所に提出します。 葬儀社が代行することが多いので、負担は大きくありません。
死亡届を提出すると、役所で「火葬許可証」が発行されます。 これは葬儀・火葬に必ず必要な書類です。
4 葬儀・火葬・納骨
葬儀の形式は家庭によってさまざまですが、流れは次のようになります。
1. 安置
2. 通夜
3. 告別式
4. 火葬
5. 納骨(後日でも可)
葬儀が終わると、少し気持ちが落ち着きます。 ここから先は「期限のある手続き」と「ゆっくり進めてよい手続き」に分かれます。
5 葬儀後すぐに行うこと(2週間以内)
● 健康保険の手続き
配偶者が ・国民健康保険 ・後期高齢者医療 ・会社の健康保険 のどれに加入していたかで手続きが変わります。
保険証を役所や会社に返却し、必要に応じて「埋葬料」「葬祭費」を請求します。
● 年金の停止手続き
年金は「亡くなったことを届ける」ことで自動的に停止されます。 放置すると過払いが発生し、後で返還が必要になるため、早めに届け出ます。
● 介護保険の返却
要介護認定を受けていた場合は、介護保険証を役所に返却します。
6 ここからが大切:相続の準備
葬儀が終わると、次は「相続の準備」に入ります。 相続は、期限があるものと、期限がないものがあります。
● 相続の全体像
相続は次の5つの流れで進みます。
1. 相続人を確認する
2. 財産を調べる
3. 相続するか放棄するか決める(3か月以内)
4. 遺産分割協議をする
5. 名義変更・相続税申告(10か月以内)
順番にやれば必ず進みます。
7 相続人の確認(戸籍の収集)
まず「誰が相続人になるのか」を確認します。 配偶者が亡くなった場合、相続人は次のとおりです。
● 相続人の基本ルール
1. 配偶者は必ず相続人
2. 子どもがいれば、配偶者+子ども
3. 子どもがいなければ、配偶者+亡くなった方の父母
4. 父母もいなければ、配偶者+兄弟姉妹
戸籍を集めることで、相続人が確定します。
8 財産の調査
財産は「あるものだけでなく、ないもの(借金)」も含めて調べます。
● 調べる財産の例
• 銀行口座
• 証券口座
• 不動産
• 自動車
• 保険
• 貸付金
• 借金
• クレジットカードの残債
• 電子マネー・ポイント
• デジタル資産
財産調査は、相続の中で最も時間がかかる部分です。 専門家に依頼すると、銀行照会などを代行してくれます。
9 相続放棄をするかどうか(3か月以内)
財産を調べた結果、 ・借金が多い ・財産がほとんどない などの場合は「相続放棄」を選ぶことができます。
● 相続放棄のポイント
• 家庭裁判所で手続きする
• 期限は「亡くなった日から3か月以内」
• 一度放棄すると取り消せない
• 放棄すると「最初から相続人でなかった」扱いになる
迷う場合は、専門家に相談するのが安全です。
10 遺言書の有無を確認する
遺言書がある場合は、内容が最優先されます。
● 遺言書の種類
• 自筆証書遺言
• 公正証書遺言
• 法務局保管の遺言
自筆証書遺言を見つけた場合は、勝手に開封してはいけません。 家庭裁判所で「検認」という手続きが必要です。
11 遺産分割協議
遺言書がない場合、相続人全員で「財産をどう分けるか」を話し合います。
● 遺産分割協議のポイント
• 相続人全員の合意が必要
• 口頭ではなく「遺産分割協議書」を作成する
• 協議書がないと名義変更ができない
高齢の相続人がいる場合は、署名・押印のサポートが必要になることがあります。
12 名義変更(不動産・銀行・保険など)
遺産分割協議書が完成したら、各財産の名義変更を行います。
● 不動産
法務局で「相続登記」をします。 2024年から相続登記は義務化され、放置すると罰則の可能性があります。
● 銀行口座
銀行ごとに必要書類が異なります。 相続人全員の印鑑証明書が必要になることが多いです。
● 保険金
生命保険は「受取人」が指定されているため、相続とは別に請求できます。
13 相続税の申告(10か月以内)
財産が一定額を超える場合は、相続税の申告が必要です。
● 相続税がかかるかどうかの目安
基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
例:相続人が配偶者+子ども2人の場合 3,000万円+600万円×3=4,800万円 財産が4,800万円を超えると申告が必要です。
14 公共料金・携帯電話・クレジットカードの解約
忘れやすい手続きですが、早めに整理しておくと安心です。
● 解約するものの例
• 電気・ガス・水道
• 携帯電話
• インターネット
• NHK
• クレジットカード
• サブスク(Amazon、Netflixなど)
15 自動車・運転免許・パスポート
自動車の名義変更は、陸運局で行います。 運転免許やパスポートは返納します。
16 住まいの整理(遺品整理)
遺品整理は、心の負担が大きい作業です。 急ぐ必要はありません。
● 遺品整理のポイント
• 思い出の品は無理に捨てなくてよい
• 専門業者に依頼することもできる
• 相続人が複数いる場合は、勝手に処分しない
17 ここまでの流れをまとめる
配偶者が亡くなったときの手続きは、次のように進みます。
1. 死亡診断書を受け取る
2. 葬儀社へ連絡
3. 死亡届(7日以内)
4. 健康保険・年金の手続き
5. 相続人の確認
6. 財産調査
7. 相続放棄の判断(3か月以内)
8. 遺言書の確認
9. 遺産分割協議
10. 名義変更
11. 相続税申告(10か月以内)
12. 遺品整理
18 心のケアも大切に
配偶者を亡くした後は、手続きだけでなく「心の整理」も必要です。 無理に頑張らなくて大丈夫です。
• 眠れない
• 食欲がない
• 気力が出ない
こうした状態は自然な反応です。 必要であれば、家族や友人、医療機関に相談してください。
19 専門家に頼るべきタイミング
次のような場合は、専門家に相談すると安心です。
• 相続人が多い
• 不動産が複数ある
• 兄弟姉妹が相続人になる
• 相続放棄を検討している
• 遺産分割で意見が合わない
• 相続税がかかりそう
行政書士は、 ・相続人の調査 ・財産調査 ・遺産分割協議書の作成 ・名義変更のサポート などを行います。
20 最後に
配偶者が亡くなったときの手続きは、量が多く、心の負担も大きいものです。 しかし、順番に進めれば必ず終わります。
以下のフォームに必要事項をご記入の上、「送信する」ボタンをクリックしてください。