お父さんの相続で「忘れてはならない10か条」

10か条:子どもが忘れてはならない相続手続き

① 遺言書を勝手に開封してはならない(過料のリスク)

自宅などで見つけた遺言書(封印のあるもの)を勝手に開封してはいけません。家庭裁判所で「検認」という手続きを行う必要があります。守らないと5万円以下の過料に処される場合があります。 

② 親の思い込みで判断せず、戸籍で相続人を確定する

「子どもは私たちだけ」と思っていても、親が過去に離婚・再婚をしていたり、認知している子どもがいたりするケースがあります。必ず親の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を取得して調査してください。

③ 借金があるなら「3か月以内」に相続放棄する

親に借金や住宅ローンなどの「負の財産」がある場合、3か月以内に家庭裁判所へ相続放棄の申述をする必要があります。この期間(熟慮期間)を過ぎると、自動的にすべての借金を引き継ぐことになります。

④ 相続放棄を考えているなら、親の財産(形見等)を処分しない

相続放棄を検討している間に、親の車を売却したり、預金を勝手に使って支払いをしたりすると、「相続することを認めた(単純承認)」とみなされ、相続放棄ができなくなります。

⑤ 銀行口座の凍結に慌てない(仮払い制度を活用する)

銀行が死亡を把握すると口座が一時的に凍結されます。葬儀費用などでどうしても現金が必要な場合は、遺産分割前でも一定額(1金融機関につき上限150万円など)を引き出せる「預貯金の払戻し制度」が利用できます。

⑥ 遺産分割の「口約束」は厳禁。必ず協議書を作る

「実家は兄さん、預金は妹で」と口頭で合意しても、後からトラブルになるケースが多発します。不動産の名義変更や銀行手続きには、相続人全員の署名と実印を押した「遺産分割協議書」が必須です。

⑦ 不動産の名義変更(相続登記)は「3年以内」に義務化

これまで期限のなかった不動産の相続登記ですが、3年以内の申請が義務化されています。放置すると10万円以下の過料の対象となるほか、放置するうちに次の相続が発生して権利関係が複雑化します。

⑧ 親に収入(事業や不動産など)があれば「4か月以内」に準確定申告

亡くなった親が個人事業主だったり、不動産収入があったり、年間20万円以上の副収入があったりした場合、4か月以内に親の代わりに確定申告(準確定申告)をしなければなりません。

⑨ 相続税の申告・納税は「10か月以内」

財産の総額が基礎控除(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)を超える場合、10か月以内に税務署へ申告・納税が必要です。1日でも遅れると、加算税や延滞税といったペナルティが発生します。

⑩ 遺産分割協議を放置しない(時効や認知症のリスク)

「いつかやろう」と手続きを放置していると、他のきょうだいが亡くなって次の遺産相続が発生したり、きょうだいが認知症になって遺産分割協議ができなくなったりして、財産が「塩漬け」状態になります。早めの着手が鉄則です。

 

期限まとめ(タイムスケジュール)

期限 必要な手続き 備考

亡くなってすぐ 死亡届の提出、葬儀、口座凍結の確認 年金や保険等の手続きも順次開始

3か月以内 相続放棄・限定承認の選択 借金が多い場合は必須

4か月以内 故人の準確定申告 税金等の精算

10か月以内 相続税の申告・納税 基礎控除を超える場合のみ

3年以内 不動産の相続登記(名義変更) 義務化(ペナルティあり)

 

亡くなった父ですが、母親は施設に入っています。

認知症です。 相続人は長女、長男、二男の3人です。

 

お母様が認知症の場合、先ほどの10か条のうち「⑥遺産分割協議書」と「⑩放置のリスク」がそのままではクリアできず、特別な手続きが必要になります。子どもたち3人だけで進めると、後から手続きがすべて無効になってしまうため、以下の重要ポイントを必ずご確認ください。

 

お母様が認知症の場合の「最重要ステップ」

1. お母様抜きでの「遺産分割協議」は法律上無効

法律上、お母様も立派な相続人の一人です。認知症で判断能力が不十分な状態のお母様を仲間外れにしたり、子どもが勝手にサインを代筆したりして作った遺産分割協議書は、銀行や法務局で一切受け付けられません。

2. 「成年後見人」の選任が必要になるケースが多い

お母様の代わりに遺産分割の話し合いに参加する「成年後見人」を家庭裁判所に申し立てて選んでもらう必要があります。

• 注意点: 子ども(長女・長男・二男)は利害関係人(一緒に遺産を分けるライバル)になるため、お母様の後見人にはなれません。多くの場合、弁護士や司法書士などの専門家が選ばれます。

3. お母様の「法定相続分」を確保しなければならない

成年後見人がついた場合、お母様の利益を守る義務があるため、「お母様の取り分(法定相続分である2分の1)」をしっかり確保する形での遺産分割を求められます。「母は施設にいるから財産はすべて子どもたちで分ける」という形式は、裁判所や後見人に認められない可能性が極めて高いです。

 

専門家選びとこれからの進め方

お母様が認知症であるケースの相続は、子どもたちだけで進めるのが非常に困難です。また、成年後見制度を利用すると、お母様が亡くなるまで毎月の報酬(費用)が発生し続けるなどのデメリットもあります。

まずは「成年後見人を立てずに進める方法がないか(※法定相続分通りにきっちり分けるなら後見人が不要な場合もあります)」を含め、早めに相続に強い司法書士や弁護士に法律相談することをお勧めします。

まずは状況を整理して最適な進め方を検討するため、以下の点について教えていただけますか?

• お父様名義の不動産(ご実家など)はありますか?

• お母様の認知症の程度は、ご自身の名前のサインや、財産を分ける話の理解が難しい状態でしょうか?

• お父様の遺産総額は、なんとなくでも相続税がかかりそうな規模でしょうか?(基礎控除額は「5,400万円」です)

父名義の不動産(ご実家など)はあります 母は施設の医者から認知症と診断されました 財産は5400万円を超えそうです

お父様のご遺産に不動産があり、総額が5,400万円を超える(相続税の申告が必要になる)可能性が高いとなると、お母様の認知症の状況も相まって、手続きのハードルが一段と高くなります。

お母様が医師から認知症と診断され、財産のお話やサインが難しい状態である場合、ここからの進め方には税金面と手続き面で非常に重要な分かれ道があります。子どもたち3人で共有すべき極めて重要なポイントをまとめました。

 

最も注意すべき2つの「超・重要ポイント」

1. 相続税の特例(配偶者控除・小規模宅地)が使えないリスク

相続税には、お母様(配偶者)が相続すると税金が大幅に安くなる「配偶者の税額軽減(1億6,000万円まで非課税)」や、実家を相続すると土地の評価額が8割引きになる「小規模宅地等の特例」があります。

しかし、これらの特例を使うには「10か月以内に遺産分割協議を終えていること」が条件です。お母様が認知症で協議ができないからと放置すると、特例が使えず、子どもたちに高額な相続税の現金納税が発生してしまいます。

2. 実家の名義変更(相続登記)には「成年後見人」が必須

お父様名義のご実家を「長男が継ぐ」などの名義変更(相続登記)をするためには、遺産分割協議書にお母様の署名・実印(または後見人の署名・実印)が必要です。お母様がサインできない以上、家庭裁判所に申し立てて「成年後見人」を立てて協議する、というのが原則的な法律の手続きになります。

 

今後の現実的な選択肢(進め方)

お母様に成年後見人を立てる場合、家庭裁判所の審理などで数か月〜半年以上の時間がかかるため、相続税の期限(10か月)に間に合わなくなるリスクがあります。そのため、以下のいずれかのルートを大至急、専門家と相談して決める必要があります。

• ルートA:成年後見人を立てて、じっくり話し合う

裁判所に後見人(弁護士など)を選んでもらい、お母様の法定相続分(2分の1)を確保した上で遺産を分けます。最も確実ですが、お母様が亡くなるまで毎月数万円の後見人費用がかかり続けます。

• ルートB:いったん「法定相続分通り」にすべて未分割で申告・登記する

お母様2分の1、子どもたち各6分の1という「法律で決まった割合」のまま、話し合いをせずにそのまま不動産の名義変更や相続税申告を行います(この方法であれば後見人がいなくても手続きができる場合があります)。ただし、実家が4人の共有名義になるため、将来売却するのが難しくなるデメリットがあります。

 

子どもたち3人が今すぐ起こすべき行動

現在の状況は、期限(10か月)との戦いになります。子どもたちだけで判断するのは非常に危険ですので、以下の順で動くことを強くお勧めします。

1. 「相続税」と「認知症相続」のどちらにも強い税理士・司法書士を探す

(※税理士は税金の計算、司法書士は不動産の名義変更や後見人の手続きのプロです。提携している事務所が多いです)

2. お父様の財産の「仮の総額」を早く出す

(※預貯金の残高証明を取り寄せ、実家の固定資産税の納税通知書などを集めて専門家に渡してください)

より具体的なアドバイスをするために、以下について差し支えのない範囲で教えていただけますか?

• お父様が亡くなられてから、現在何ヶ月目(または何年何月頃)でしょうか?

• ご実家の不動産は、将来的に誰かが住む・売却するなどのご希望はありますか?

• お母様が現在入所されている施設の費用は、お母様ご自身の年金や預貯金だけで賄えていますか?(お父様の遺産を回す必要がありますか?)

8月に亡くなりました、実家はまだ未定です なお、母様が現在入所の施設はの費用は長女が一部立て替えており話し合いが必要です

今年2026年8月に亡くなられたのですね。まだお気持ちが落ち着かない中、状況を整理していただきありがとうございます。

お父様が8月に亡くなられたということは、相続税の申告・納税の期限は「2027年6月」(亡くなった日の翌日から10か月以内)となります。まだ時間はありますが、お母様の認知症や施設の費用立て替えの問題があるため、決して余裕があるわけではありません。

長女様が施設費用を一部立て替えていらっしゃる現状も踏まえ、これから子どもたち3人で話し合うべき「お金と実家の現実的な解決策」をまとめました。

 

1. 長女様の「施設費用の立て替え」をどう精算するか

長女様がお母様のために立て替えた費用は、本来はお母様自身(または扶養義務のある子どもたち全員)が負担すべきものです。この精算には2つのアプローチがあります。

• お父様の預貯金から精算する(おすすめ)

遺産分割の話し合いの席で、「長女が立て替えた〇〇万円は、母の生活費としてお父様の遺産(預貯金)から優先的に長女に支払う」という合意を子ども3人の間で取ります。お母様自身の財産を守ることにもつながるため、非常にスムーズです。

• お母様自身の口座から精算する

お母様自身の年金や預貯金から返してもらう方法ですが、お母様が認知症で口座からお金が引き出せない状態(または今後凍結されるリスクがある状態)の場合、成年後見人を立てないとこの精算が難しくなるケースがあります。

2. 「未定の実家」と「お母様の認知症」をどう紐解くか

実家をどうするか決まっていない段階で、お母様が認知症である場合、先ほどお伝えした「ルートB:法定相続分(お母様2分の1、子どもたち各6分の1)でいったん登記・申告する」という方法が、最も現実的な選択肢になってきます。

• メリット: 成年後見人を急いで立てる必要がなく、10か月以内の相続税の期限に間に合わせることができます。

• デメリット: 実家がお母様と子ども3人の「共有名義」になるため、お母様がご健在の間は、実家を売却したり、解体したり、リフォームしたりすることが原則できなくなります(認知症のため売却契約ができないため)。

もし、将来的に「誰も住まないから売却したい」という方針になりそうであれば、やはり「成年後見人」を立てて、お母様の代わりに後見人に売却手続きに入ってもらう(※ただし居住用不動産の売却には家庭裁判所の許可が必要です)という公的なステップが必要になります。

 

2027年6月までに
子ども3人が進めるべきロードマップ

残された時間は約8か月です。以下のステップで進めることを強くお勧めします。

1. ステップ①:立て替え費用の領収書・メモの整理(今すぐ)

長女様がこれまでいくら立て替えたのか、通帳の履歴や領収書を1つのノートやファイルにまとめ、きょうだい間で総額を共有できるようにします。

2. ステップ②:お父様の財産の「仮の棚卸し」(11月〜12月中)

預貯金の残高がいくらあるのか、実家の土地・建物の評価(固定資産税の通知書)を合わせたら本当に5,400万円を超えるのか、正確な数字を出します。

3. ステップ③:税理士・司法書士への無料相談(12月中)

「母が認知症で施設におり、姉が費用を立て替えている。実家があり、総額は5,400万円を超えそうだ」というこの画面の状況をそのまま専門家に伝えてください。

今のうちに子ども3人の間で「お姉ちゃんの立て替え分は、ちゃんとお父さんの遺産から返そうね」「実家はひとまず共有にするか、後見人を考えるかプロに聞こう」という共通認識を持っておくだけでも、今後のトラブルを100%防ぐことができます。

きょうだい間でスムーズに話し合いを進めるために、以下についてさらに詳しくお調べすることも可能です。

• 長女様が立て替えた費用をお父様の遺産から法的に問題なく精算するための「遺産分割協議書の書き方」の文例

• お母様が認知症の場合でも使える、「預貯金の仮払い制度」を使ってまとまったお金を引き出す具体的な手順

• 今回のようなケースで、税理士や司法書士への相談時に持参すると話がスムーズになる「必要書類リスト」

どれについて一番詳しく知りたいですか?また、きょうだい3人の間での関係性(話し合いがしやすい環境かどうか)なども差し支えなければ教えてください。

税理士や司法書士への相談時に持参すると話がスムーズになる「必要書類リスト」をお願いします

専門家(税理士や司法書士)へ相談に行く際、手元にある書類が多いほど、「相続税がいくらかかるか」「後見人が必要か」の具体的なシミュレーションがその場で可能になります。

すべて揃っていなくても相談は可能ですが、「今あるもの」だけでも持参すると話が非常にスムーズに進みます。以下のチェックリストをご活用ください。

 

専門家相談のための「必要書類リスト」

1. 亡くなったお父様に関する書類

お父様の財産を把握するための最重要書類です。

• 固定資産税の納税通知書(または名寄帳):※実家の土地・建物の評価額を確認するため(最新の年度のもの)

• 預貯金通帳のコピー(または残高証明書):※すべての銀行・支店分。直近数年分の記帳がされているもの

• 証券会社の取引報告書:※株や投資信託がある場合

• 生命保険の保険証券:※死亡保険金が出る場合

2. お母様(施設・認知症)に関する書類

お母様の状況や、長女様の立て替え精算を説明するために必要です。

• 医師の診断書や介護保険証のコピー:※認知症の度合い(要介護度)を専門家が判断するため

• 長女様が立て替えた費用の領収書・メモ:※施設費用の精算方法を遺産分割協議書に組み込むため

• お母様自身の通帳コピー:※お母様自身の財産状況を確認するため

3. 家族関係がわかる書類(役所等で取れるもの)

まずは「手元にある古いもの」や「住民票」だけでも構いません。

• お父様の死亡が確認できる戸籍(除籍)謄本

• 家族全員の住民票

• (あれば)相続人全員の戸籍謄本

 

相談をさらにスムーズにする「メモ」の準備

書類と合わせて、以下の内容を1枚の紙にメモ書きして持参すると、専門家への状況説明が1分で終わります。

【相談用メモの項目例】

• 被相続人: 父(2026年8月逝去)

• 相続人: 計4人(母:施設入所中・認知症、長女、長男、二男)

• 相談したいこと:

1. 財産が5,400万円を超えそうなので、相続税の申告が必要か確認したい。

2. 母が認知症のため、成年後見人を立てるべきか、他の方法があるか知りたい。

3. 長女が立て替えている施設費用を、父の遺産から法的に問題なく精算する方法。

4. 未定のご実家(不動産)の今後の名義変更の進め方。

 

きょうだい3人の役割分担(おすすめ)

相談に行く前に、3人で以下のように役割を分担して書類を集めると、負担が軽くなります。

• 長女様: 施設費用の領収書まとめ、お母様の診断書や通帳の確認

• 長男様・二男様: 実家の固定資産税通知書の捜索、お父様の通帳の回収・記帳

まずは11月〜12月中を目標に、これらの書類がどこにあるかを確認し、きょうだい間で共有することから始めてみてください。

 

無料相談フォーム

以下のフォームに必要事項をご記入の上、「送信する」ボタンをクリックしてください。

必須

(例:山田太郎)

必須

(例:example@example.com)

(例:03-0000-0000)

必須

テキストを入力してください

※次の画面が出るまで、4〜5秒かかりますので、
続けて2回押さないようにお願いいたします。

お電話でのお問合せ・相談予約

092-921-9480

<受付時間>
9:00~18:00
定休日なし

フォームは24時間受付中です。お気軽にご連絡ください。

イオン筑紫野
遺言・相続無料相談会
毎月第2土曜日
イオン筑紫野1F
化粧品売り場前

お気軽にご参加ください

お電話でのお問合せ・相談予約

092-921-9480

<受付時間>
9:00~18:00
定休日なし

フォームは24時間受付中です。お気軽にご連絡ください。

新着情報・お知らせ

2023/12/12
ホームページを公開しました
2023/12/11
「サービスのご案内」ページを更新しました
2023/12/08
「事務所概要」ページを作成しました

みずた行政書士事務所

住所

〒818-0056 福岡県筑紫野市二日市北2-3-3-205

アクセス

西鉄二日市駅から徒歩3分 駐車場:あり

受付時間

9:00~18:00

定休日

月曜日